【国語逍遥】(28)清湖口敏 意味の要 解けなかった中学入試問題
先月、テレビのクイズ番組を見ていたら、「身も蓋もない」の意味は(1)どうしようもない(2)はっきりとしすぎた(3)大まかな-のうち、どれかという出題があった。某有名中学の入試に出た問題らしいが、私は迷いに迷った揚げ句、(1)と答えた。正解は(2)だった。 悔しくて手当たり次第に辞書を引いた。広辞苑には「露骨すぎて、情味も含蓄もない」とあり、大辞林や大辞泉もほぼ同様の意味を載せている。「露骨すぎる」から判断すれば、ややニュアンスは異なるものの「はっきりとしすぎた」の(2)が最も正解に近いということにはなるだろう(「露骨」は小学生に難しすぎるとして「はっきりとしすぎた」に言い換えられたものかもしれない)。 身(容器の本体)も蓋もないと、隠す部分がなく、全てをさらけ出すので「露骨すぎる」ことになり、そこから「情味も含蓄もない」につながったと思われる。そこで考えたいのは、この慣用句が実際に使われるにあたって要となるべき意味は「露骨すぎる」なのか、それとも「情味も含蓄もない」なのか-という点である。 後者とするのが私の語感だ。「身も蓋もない話」といえば大抵の人は、「露骨すぎる話」というより「情味も含蓄もない話」「そう言ってしまえばにべもない話」「味も素っ気もない話」として受け止めるのではなかろうか。私が(1)と答えたのも、そんなニュアンスを含む「どうしようもない」がむしろ正解に近いと考えたからだ。< 前のページ12次のページ >
fdhsjfhdjksfdsfjjRelated articles:
没有评论:
发表评论